Friday, September 30, 2011

第三国定住、ミャンマー難民来日辞退も

第三国定住、ミャンマー難民来日辞退も
政治的迫害を受け母国を逃れた難民を受け入れる「第三国定住制度」で、29日夜、4家族18人のミャンマー難民が来日します。去年、日本政府が鳴り物入りで始めたこの制度ですが、実は早くも壁に突き当たっています。
ミャンマーとの国境を接するタイの北西部。ここにミャンマーの少数民族、カレン族が暮らす難民キャンプがあります。

ミャンマー政府から迫害を受けタイに逃れてきたカレン族。先週、4家族18人がバスでこのキャンプを出発し日本に向かいました。日本政府は去年から、政治 的な迫害などで母国に戻れない難民を受け入れる「第三国定住制度」に基づいて、カレン族の難民を受け入れているのです。

「日本で子どもを学校に通わせて読み書きを勉強させたい。夫には仕事でお金を稼いでもらいます」(来日するカレン族難民)

日本での生活に夢を抱く難民たち。しかし今年、出発直前になって来日を辞退する家族が現れました。

「日本政府は夫が働けば家族を養えると説明していたんです」(来日を辞退したスノーベルさん)

来年2月に出産予定のスノーベルさん。難民の支援団体から、日本での生活費についての情報を取り寄せたところ、がく然としたといいます。

「収入は12万円でしょ。でも生活費は26万5000円って、毎月14万5000円も借金ができるってことよ」(来日を辞退したスノーベルさん)

「日本に行っても生活は楽にならない」。それが辞退の理由でした。

千葉県内の農園で働くカレン族の難民たち。去年、第三国定住制度の第1陣として来日し、半年間の日本語研修の後、この農園にやってきました。「訓練生」と いう位置づけのため、彼らに支給されるのは、ひと月12万円。この男性の場合、子ども5人を含む家族7人が、その12万円で食べていかなくてはなりませ ん。さらに、時には夜明けから日暮れまで働く日本の労働環境になじめないといいます。

「(Q.作業は大変ですか?)ちょっと大変です」(男性)
「慣れません。まだ慣れません」(男性)

16歳の長男は夜間中学に通っていましたが、通学に往復2時間以上かかるため、7月中旬に断念。結局、そのまま就職するはずだった農園を辞め、家族そろって新たな家と仕事を探すことにしました。

「一番大変なことは日本語をしゃべれないことです。分からない・・・私、日本語」(女性)

難民たちは生活の厳しさや言葉の壁に苦しんでいます。彼らを支援する弁護士のグループは今週、外務省に支援体制の改善を申し入れました。

「地方自治体、難民のコミュニティー、NGO、支援者を含めた支援の再構築が必要」(全国難民弁護団連結会議・渡邉彰悟弁護士)

難民たちへのサポート体制づくりが大きな課題となっています。(29日17:29)

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